2021/11/18

2032年までWindows10を使うためのWindows (IoT) LTSC 2021の個人的まとめ

 2032年までWindows10を使うためのWindows (IoT) LTSC 2021の個人的まとめ

目次

  1. まとめ
  2. Windows IoT LTSC 2021とWindows LTSC 2021の違い
  3. 2032年までWindows10を使うには
  4. LTSCと通常版の違い

まとめ

簡単なまとめです。具体的な内容、詳細は後のほうに。

  • Windows LTSC 2021のサポート期間は約5年、2027年まで
  • Windows IoT LTSC 2021のサポート期間は約10年、2032年まで
  • Windows LTSC 2021とIoT LTSC 2021の中身はほぼ同じ(ライセンス形態やアクティベーション方法が少し異なる)
  • Windows IoT LTSC 2021のISOイメージは現在のところ、英語版のみ
  • 英語以外の言語版にはWindows LTSC 2021のISOにIoTのSKUが入っているため、IoT LTSCのキー(具体的にはIoTEnterpriseのキー)を入力すればIoT LTSC 2021にスイッチ(変更)できる。
  • Windows LTSC 2021 はVolume channelである。(ボリュームライセンス)
  • Windows IoT LTSC 2021はOEM channelである。(OEMライセンス、多くの場合プレインストール)
  • Windows IoT LTSC 2021のライセンスとキーを入手できれば、Windows LTSC 2021のISOを使って Windows IoT LTSC 2021を2032年まで使用することが可能。
  • OEMライセンスなのでプレインストールされたPCを買うのが一番手っ取り早い。

Windows IoT LTSC 2021とWindows LTSC 2021の違い

まとめでだいたいは書かれていますが、中身や機能に関しては全くと言っていいほど同じである可能性が高いです。

LTSC 2021はVolume channelでボリュームライセンスでしか入手できません。またキーはMAKとKMSキーだけのようです。

IoT LTSC 2021はOEM channelでOEM企業からの提供となります。多くの場合はプレインストールされたPCを購入することになると思います。こちらのキー形態はハードウェアによる紐づけの形式(個人用では一般的なハードウェアIDによるオンラインアクティベーション)だけのようです。KMSは対応しているとしていないと両方の意見を見かけます。

一番の違いはサポート期間でこれは明確に違います。LTSC 2021は5年間とIoTのほうは10年間です。

現状ではIoT LTSC 2021独自の日本語版ISOは存在しませんが、下の画像はWindows10 LTDC 2021 日本語版ISOのinstall.wimの中身でそれを細かく見るとIoTEnterpriseS(EnterpriseS=LTSC)のSKUが入ってることがわかります(IoT LTSCのキーを入力すればIoT LTSCにスイッチする)。

2032年までWindows10を使うには

まとめのほぼ繰り返しになりますが、2032年までWindows10を使いたい場合はWindows IoT LTSC 2021のOEMライセンスを入手してOEMの条件に当てはまるPCにインストールすると使用することが可能です。多くの場合はプレインストールされたPCを購入し、使うことになると思います。OEM版の場合はPCの性能で価格が変わるようで、性能が低めのものは安価で性能の高いものは通常版とそれほど変わらない価格になるようです。具体的にはMSの提供価格は30ドルから300ドル程度のようです。大元のだいたいの価格でOEM企業の価格ではないので購入者がいくらで買えるかはケースバイケースだと思います。モバイル系ビジネス用PCではIoT LTSCインストール済みの2万から4万円ぐらいのPCをたまに見かけます。

LTSCと通常版の違い

直接的には関係ない話題ですが、LTSCと通常版(ここではPro版を例とします)の主な違いを。細かな違いは結構ありますが、大きな違いは二つあります。一つはLTSC版はカーネルの大きなメジャーアップグレードがありません。具体的にはWindowsにはOSビルドという数字の細かいバージョンがあるのですが、Windows10 LTSC 2021を含むWindows 10 21H2は19044というOSビルド番号があります。LTSCの場合はこの番号が大きく変わらない可能性が高いです。通常版はメジャーアップデートがあった場合は大きく変わる場合があります。ただWindows10はもうメジャーアップデートがあるかは不明なので、今後この二つのOSビルドが大きく差が出てくるかは不明です。

もう一つの大きな違いは、LTSC版はUWPアプリが搭載されていないことです。それによりMSストアも搭載されていません。電卓ソフトなどはUWP版ではなく、Win7などのような電卓です。UWPアプリが搭載されていないため、スタートメニューの項目のアプリは少なくてすっきりしています。余計なソフトがなくてよいと考えるか、物足りないと考えるかは人それぞれでしょう。